MAGAZINE 浅地洋祐プロインタビューMAGAZINE 浅地洋祐プロインタビュー

どん底を味わったことはいい経験

―2019年は「アジアパシフィックオープン選手権ダイヤモンドカップ」で念願のツアー初優勝を飾りました。おめでとうございます。改めてその時の気持ちを振り返るといかがでしたか。

ありがとうございます。純粋にうれしかったです。ようやくというか、長かったなという気持ちと、めっちゃうれしいという気持ちですね。

―ご家族の反応は?

母が一番喜んでいました。成績が出ていない時もずっと応援してくれてたので、喜ぶとともにほっとしたと思います。妻も結婚して1年目だったので、自分と結婚して成績が悪くなったらどうしよう…と思っていた部分もあったようで、すごく安心していたし喜んでいました。

―その後、「ANAオープン」ですぐに2勝目を手にしましたね。

2勝目は本当に棚ぼたというか、まさか優勝できると思っていなかったです。

―初優勝のときは最終日首位を守り切っての優勝、2勝目の時は最終日に伸ばして、5人でのプレーオフを制しての勝利でした。最終日、それぞれの心境はいかがでしたか?

初優勝の時は何が何だか分からない状態で。緊張しているわけではないけど体がちゃんとついてこない。思ったように動かない感じでした。
2勝目の時の方が気持ちは楽でした。やっぱり1回勝っているというのもありますし、追う立場だったので。すごく気が楽でしたし、本当に楽しんでプレーできました。

―2013年にシードを落として、つらい時期も過ごされたと思います。

その当時はもちろん悔しい気持ちはありましたけど、シードを落とした期間中、たくさんの人にお世話になって、ゴルフのことだったり社会人としてのことだったり、いろいろ教えてもらえたので、そういう面では自分の中でプラスになったと思っています。
僕は高校を卒業してすぐプロになったので、上下関係とか何もわからずにいたんですね。本当にたくさんの人にお叱りを受けました。でも、そうやって言ってくれる人がたくさんいたので、ありがたかったですね。
だから今は、1回どん底を味わって逆に良かったなと思います。

―憧れているプロ、尊敬しているプロはいますか?

憧れているのは小さい頃からタイガー・ウッズ選手です。
尊敬しているのは、第一線で活躍している選手みなさんです。
中でも、僕がシードを落とした次の年ぐらいに、片山(晋呉)さんからマネージャーさんを通して合宿に呼んでもらったんですね。そこでゴルフを一から教えてもらいましたし、精神的なものや社会人としてのあり方もいろいろ教えてもらいました。すごく感謝しています。

―では、ライバルは?

今、ヨーロッパツアーで戦っている川村(昌弘)とか、それこそゲンちゃん(時松隆光)とか、同い年のプロはやっぱり気になりますね。
特に、川村の成績は今一番気になりますね。川村とはジュニアの頃から、海外で一緒になった時もずっと仲良くしているんですが、僕も海外のツアーに出たいので、活躍するとうらやましいし、負けたくない気持ちもあって、毎週チェックしています(笑)。

子供にゴルフをやっている姿を見せたい

―プライベートでは、年末にお子さんも生まれました。

海外に行ってばかりでなかなか会えないのですが、TV電話とかで顔を見るようにしています。初めて抱っこした時は不思議な気持ちでした。友人や知人のお子さんは何回か抱っこしたことがありますけど、自分の子供っていう実感がまだ追いついてない状態だったので。でも、すごく大切にしなきゃいけないなと思っています。
今はこれからますますゴルフを頑張っていかなければという感じです。もちろん家族のこともありますけど、一番は優勝してすぐ成績が落ちて、一発屋だと思われたくないので(笑)。毎年優勝できるようにとは思います。子供が物心ついたときに父親がゴルフをやってる姿を見せたいです。

―お子さんにはゴルフをやってほしいですか?

やれとは言わないけど、やりたいと言ったらやらせますかね。でも、だいたい子供って親のまねから始まるから、やりたいって言い出すんじゃないですかね(笑)。

―趣味は何ですか?

料理ですね。子供の頃から家に一人でいることが多かったので、よく作っていました。本当に簡単なものしか作らないですけど、一人で料理している時が楽しいです。

―得意料理は?

自慢できるようなものじゃないですけど…、煮物とかが好きで作ります。時々、家族にも振る舞いますよ。作るだけ作って片付けはしないんですけどね(笑)。

―好きな食べ物は?

ベタに焼肉ですかね。試合中も週に2日ぐらいは行きます。肉、野菜、ご飯といろいろ食べられるので、バランスも考えて焼肉です。肉はあまり脂っぽいのが好きじゃないので、ロース、ハラミ、ミノとかをよく食べます。

―勝負飯も焼肉?

そうですね。初優勝した前の日も焼肉を食べたので、焼肉になるのかもしれません。

気持ちを新たに頑張りたい

―2020年より「JUN&ROPÉ」を着ることになりますが、今の心境は?

歴史のあるアパレルで、昔から名前も知っていましたし、そのチームに入れることはすごくうれしいですね。メンズラインは2019年からですけど、仲良くしている池村(寛世)くんが着ているのを見ていて、かっこいいなと思っていました。

―ラウンドの時のコーディネイトのポイントは?

昔は「初日は何色、最終日は何色…」って決めてたんですけど、最近はあまりこだわりがないですね。変な組み合わせだけにはならないように気をつけています(笑)。でも、最終日、いい位置にいたら目立つような服を着るようにしています。

―ラッキーカラーはありますか?

ラッキーカラーとか勝負カラーというのはあまりないんですけど、好きな色はグリーンです。

―最後に2020年シーズンの意気込みをお願いします。

今年から「JUN&ROPÉ」のウエアを着ることになったので、新しい気持ちで臨んでいきたいです。ツアー優勝したのは一度置いといて、また初優勝を狙う気持ちで「JUN&ROPÉ」と一緒に頑張っていけたらと思います。目標は国内で1勝以上することと、アジアツアーでの1勝です。応援よろしくお願いします。